元々再戦すべき2人だったと思う。あとはいったいどのタイミングでやればふさわしいのか?それだけ。今回願ってもない条件が揃ったと思う。ぶつけるべきだ。今しかない。
川尻の宇野への対戦要求を見て肯定する人もいれば当然批判する人もいる。見方は人それぞれだし宇野ファンも多数いるだろうから当たり前である。でも「アルバレスや青木とやりたくないからいい口実作りだ」とか「試合内容が伴ってないのだから発言権はない」なんて批判見ると温厚な(笑)川尻ファンである私も「お前らみたいな気持ちが荒んだ人間は格闘技見るのやめちまえ!」といいたくなる。
あの場面で盟友・石田がやられて「よし、アルバレスと青木(永田かもしれないが)とやらなくてすむ理由ができた」なんて考える川尻じゃない。そりゃ本人しか本心はわからないがそんなとこまでくだらないこと言う人らはホント見るのやめたほうがいいよ。楽しんで見る気ないだろうって。
試合内容が伴ってない?1回戦はともかくブスカペ相手に完封できる試合をつまらないで済ませるなよ。
大きな舞台に行くようになってから川尻はなんとなく優等生というか落ち着いてしまっていた感じがするが、ここに来て久々にあんな後先考えない殺気がある顔が甦った。前回の宇野戦、パウンドを叩きこみながら何を考えていた?と質問され「死ね!と思ってました」と言っていた26歳の川尻達也。あれから4年。川尻にあの時の続きをやらせてやってくれ。
ハンセンVSアルバレス
やっぱりこの試合がベストバウト。壮絶でアグレッシブで文句のつけようのない激闘。しかも雑じゃない。お互いの武器が高度で破壊力抜群で「スゲー!スゲー!」連発でした。
強い選手同士をぶつければ必ず名勝負になるわけではないが、強い者同士がぶつからなければ真の名勝負は生まれない。だから強豪同士は熱いうちにぶつける意味がある。正直どちらがここで消えても惜しいがこれだけ敗者の株が上がる試合も珍しい。もちろん勝者も。
見ていて気になったのは、アルバレスの膝蹴り封じのうまさ。ハンセンが左の膝蹴りのモーションに入るたびしっかり間合いをとった。あれだけリスクを負った打撃戦をしていながら膝だけは徹底的に慎重に防ぎきった。ハンセンの武器の中で最も殺傷力が高いのがテンカオ(首相撲しない膝蹴り)。破壊力抜群だがやや予備動作が大きいこの技の特徴を完全に研究し、出させること自体を防いだアルバレス。破壊力・身体能力もさることながらこの冷静な実行力がより穴のなさを感じさせる。
2Rに入ってからのハンセンの腕十字ムーヴも凄かった。打撃の攻防はほぼ互角だったが2度ダウンを奪われレスリング巧者のアルバレスに何度もテイクダウンを奪われ、1Rを取られたハンセンだったが、2Rに作戦をはっきり切り替えられたハンセン。これがよく僕らのブログ仲間内でもよく言っている「劣勢なら作戦を切り替えて勝負すべき」というところ。言うは易し、行うは難し。実践できて実際に流れを変えられるハンセンはやはり1流だ。
残り数十秒で決まったアルバレスのハイキック。あれがなければ2Rの寝技支配率でハンセンにつけるジャッジがいてもおかしくなかったのでは?ハンセン敗北は残念だったけど凄い試合を見せてくれたから満足です。しかしアルバレス止められるかな〜。
宇野VS石田
久々に「うまい」宇野ではなく「強い」宇野を見た気がする。石田君が負けたので細かく書く気がしないのだが(笑)まとめれば「速い・うまい・強い」という感じ(笑)。
シャープで引きが速いロー中心に打撃でイニシアティブを握り、なによりあの高速タックルを捌いたっていうのが見事。入場時の顔が凄くカッコいい引き締まった顔だったが、復帰戦でもあり様々な要素が複雑に絡み合うこの場面でベストの精神状況を整えられる辺り大ベテランのキャリアのなせる業だと思う。
石田君の打撃勝負は秘策だったと思う。粘り強い試合巧者の宇野相手にタックル1本で勝負するのは危険と判断したのではないでしょうか。正直あそこまで踏み込む石田君の打撃は宇野も予想してなかったと思うし、結果的には大きな効果はでなかったが、石田君史上ではもっともスタンドで相手に打撃を当てたと思う。僕はいい作戦だったと思うし、今回は結果に結びつかなかったがこのアイディアは買いたい。
勝った宇野の「見たか!」と言わんばかりの咆哮。敗れた石田の号泣。この残酷なコントラストが格闘技の魅力だと思う。この試合も悔しいが勝った宇野を褒めるべきでしょう。
そして試合後、宇野の手を掴んで離さない川尻。そしてその厳しい眼光。あんな顔ははじめて見た。「ブッ殺してやる」そんな目でだった。やるしかないだろ、これは。
川尻VSブスカペ
セミ・メインが豪快だった分話題性では置いて行かれそうな試合だが、僕は熱戦だったと思う。もちろん川尻びいきなのはわかっています(笑)。
戦前からブスカペをKO・一本で仕留めるのは難しいと思っていた。ディフェンスが固い選手だし、肉体的にもタフだからね。その上でほぼノーダメージでブスカペを下せる川尻はやっぱり凄いっすよ。
テイクダウン防御・マットに背中をつけないということに関しては川尻は世界でトップだと思う。2回ブスカペとやって1度もテイクダウンされないって伝わりづらいけど驚異的なことだと思う。今回はスタンドのパンチでダウンも奪えたしパウンドもいいヒットがあったし完勝ではないけど完封はできたな、と。
素人考えだけどブスカペはあえてスタンド主体のほうが勝機があったと思う。僕が仮に川尻ファンじゃないとして対戦相手のファンだとしたら「あいつ相手にテイクダウン狙うのはやめとけ」って思いますからね。ブスカペは間違いなく強豪だし技術的にも優れている。1回戦いい勝ち方をしていて勢いもあった。ただどうしても最後は寝技で勝負する選手だけに持っている武器・特性の相性が川尻とは悪すぎると思う。この選手が五味と闘うとどんな試合展開になるかちょっと見てみたい。
こうゆう話はあまりしたくないんですけど(じゃあするなよって話ですが【笑】)、川尻を攻略するポイントって手数とスピードだと感じます。川尻は基本的にカウンターパンチャー。打撃のディフェンスがうまいほうではないだけに慎重に間合いを計って連打より重い単打で勝負する。テイクダウン防御は鉄壁だし、パウンドが強力なだけに相手にとってグランド戦は得策ではない。だから出入りの激しいフットワークでかく乱して的を絞らせない打撃巧者が一番有効かな、と。あと以前に比べて厚みを増した強固な肉体のデメリットもあると思う。1撃の破壊力は増したがちょっとキレとスタミナが落ちたんじゃないか?と心なし感じます。準決勝以降で当たる相手は皆スタミナには自信がありそうなだけにファンとして一抹の不安が。ただ頑丈な肉体と「防げる」技術の高さはたぶんトップ。一発で流れを変えられるパンチがあるだけに我慢すべきところで耐えられれば1番穴がないのは彼だと思う。信じたい。
会場の雰囲気はよく分かりませんが1に比べたらはるかにいい内容!色々なことを感じさせる大会でした。
昇侍vs山崎
個人的にはダメージで昇侍、ポジションで山崎という感じだった。下になっても昇侍が打撃でかなり抵抗してたんで一方的に山ちゃんが有利にも見えなかったけど、1Rに極めかかった場面もあったし、テイクダウン数は圧倒的だったのでこれは順当かな。両者持ち味を見せたいい試合だった。
ただ山崎はいつもそうだと思うんだけど最終的にはいつもダメージでは印象悪いと思う。スタンドが下手ではないし、しっかり研究していると思うんだけどなんかもらうといっつもフラフラしてしまう。階級落としてから尚更ガリガリしてきてハードな打撃の持ち主だっと一気に持っていかれそう。しかも今後は61〜63くらいで闘うってことでしょ?身体が悲鳴上げるんじゃないかと心配です。
昇侍は持ち味の打撃の強さをけっこう印象づけられたと思う。テイクダウン後のリバーサルやスタンド戻しもうまかったしいいストライカーですね。身体能力はなかなか良さそうだし、身体も頑丈そう。ただテイクダウンはもうちょっと防がないとね。フィジカルで勝てる相手だからひっくり返せたけど外国人のグランド強い選手だとあんだけコカされたら確実にどっかでやられてしまうから。
メイヘムvs柴田
さすがに力の差がありすぎ。メイヘムはかなり前にUFCでGSP戦を見た頃から「こりゃいずれ相当な選手になる」と思っていました。その試合ではフルラウンド攻められまくって完敗だったんだけど、とにかくあのイロモノっぽいキャラとは打って変わってグランドでの動きが素晴らしくて(特にディフェンス)、たぶんGSPじゃなきゃもっと違う展開になったんじゃないかと。
その後ICONの王者になったり、躓いたり(笑)してやっと日本上陸。
相変わらずグランドワークは絶品。ちょっとふざけすぎだけど(笑)。ベスト8残っているメンバー内ではジャカレイは別格としてタイプは違うがユンと互角ぐらいに闘えるのでは?パウンドもうまいし上取ったら相当強そう。ただあの悪ふざけ含めああゆう選手はあのままでは頂点には立てないと思う。別にやってもかまわないし、もちろん強豪相手にはやらないだろうしダンスも控えめで来るだろうけど(笑)、勝つこと以外にベクトルが向いてる人間は大事なところを落としてしまうと思う。でも面白い人材なんで成長してほしいです。
柴田はしかたないでしょう。無理にあるマッチメイクでした。
マヌーフvsデウォン
デウォンがスタンドでマヌーフを引かせてテイクダウンした時は番狂わせ起きそうでしたけどね。意外にマヌーフは下になった時の対処できてるんですよね。さすがCR王者。K−1の片手間に総合やってるストライカーとはひと味違う。ただ逆に打撃は雑になってきましたよね。一発狙いすぎて手数が少ないし振りが大きすぎる。手数が少ないと気持ちの強いファイターはチャンスとばかりに先手打ってくるのでそうなると今回のように後手にまわって受けから始まってしまいますからね。
あと2発目以降のマヌーフの膝はほとんど後頭部に当たってるように見えました。ああゆう場面で厳密に反則を取って一旦ストップかけるのってたしかに難しいと思う。それならやはり反則を誘発しやすいグランドでの膝も禁止にしたほうがいいと思うな。
中村vsブギョン
両者似ているのはポジションの有利な場面でも極めの為に動きにいけること。おかげで動きのある面白いグランド戦が見られてよかった。寝技に関しては世界トップクラスの青木や、上を取ったら強力なキープ力を誇る石田相手にもグランドで見せ場を作り、逆に相手の動きは封じて見せたブギョンがなぜ中村にはかなり動かれたか?これはやっぱりU系のグランドワークは独特の技術体系だからなんだと思う。MMAの教本があるとすれば現在のものには柔術やらレスリングやらの動きは事細かに書いてあるんだろうけどU系の動きはたぶん誇りかぶってる本にしか書いてないでしょうから(笑)意外と畑違いから来た選手には効果的なんでしょう。
中村はいいところがすべて出た感じ。フィジカルが強ければもっと持っているものが生きると思うんだけれど。ブギョンはこれで青木を苦しめた幻想がさすがに消えたな、と。グランドのディフェンスは本当にうまいと思うしキャリア3戦と考えればだいぶ満遍なくやれてるほうだと思うんだけど。ヘビーとかならむしろ他分野の有望選手にぶつける当て馬的選手見つけるの簡単だと思うんですよね。逆に中量級以下だとこれくらいの舞台に上がってくるレベルになるともう大きな穴ある選手いないですから難しいですよね。自国の大会で一旦キャリア積んできたほうがいいと思いますね。
ディアズvs井上
まさか打撃だけでカタがつくとは思いませんでした。あんな脇思いっきり開けた打撃があんなに面白いくらいに当たるとはビックリしました。でもなんかディアズの打撃ってちょっと五味チックだと思うんですよ。基本の打撃はできるんだけど総合用にアレンジしてあえて軌道がわかりずらい一見うまそうじゃない打ち方。だから打撃を教科書通り習ってる選手にはなかなか対応できない。
井上ははまあ普通に完敗かなと。打撃で打開できないなら引き込むなりテイクダウン狙うなりしなきゃいけなかったんじゃないかな。寝技は余計ディアズが上なんだろうけどそれでもテイクダウンで上取れるならやりようがあると思うし。井上は以前のようなリフト技をしなくなってからあまりに攻撃面が単調になってしまったと思うんですよ。パンクラス外に出たがってるわりには一番パンクラスの株落とすような闘い見せてるような気がするなー。
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