もう今回は上田将勝選手に尽きる!感服する強さですね。実力者田澤選手を終始圧倒する内容。なんというか、ある意味「これならワンパンチでKOとか、タックルをギロチンで捕獲されて秒殺負け」のほうが心のダメージが残らない敗北だったな、と感じてしまうほど。3Rじっくりと相手の持ち味を出させつつそれらすべてを飲み込んだ上で完勝した感じだ。
1R序盤からガブり→スピニングチョークで引き擦りまわし、2R中盤はテイクダウンからの強烈な振り下ろすパウンドであわやKOまで追い込み、遂に3R、心身ともに消耗しきった相手を再びスピニングチョークで止め。こと、組み合ったらまったくスキがない強さだ。
上田は全国大会優勝経験もあるトップレスラー。KIDに勝った経験もあるほど。過去、レスリング実績を持って総合に乗り込んできた選手は幾人もいるが、彼ほど柔術のテイストをレスリング技術に融合させている選手は珍しい。しかもこのキャリアで。この辺は日本のブラジリアン柔術普及の中心的存在・パラエストラ東京所属の強みがあるのか。
おそらく現時点ではそれほど高度な柔術の知識・技術があるわけではないのだろうけどそれを補ってあまりあるレスリング力と強靭な肉体を加えさせるとあれほど無駄なく完成度の高いグランドムーヴが展開できるのだろう。通常レスリング出身選手はガブる、とPRIDEルールなら4点の膝蹴り、それが反則のルールなら大概バックを奪ってパウンドを振るうのが常套手段。選択肢が多く、パワーのある上田は相手に的を絞らせない。
パウンドも凄い。手足のリーチが長い田澤のガードをスリ抜け的確に顎を打ち抜く。背筋が強靭なせいか、ズドン、ズドンと突き刺さるように見える。タフな田澤でなかったらKOもありえた。
田澤の調子は悪くなかった。スタンドではいいパンチを何発も当ててたし、必死のディフェンスで上田の力技をギリギリで凌いだ。なんの慰めにもならないだろうが逆に能力差がある相手によく踏ん張ったと思う。
上田の今後の課題はやはりスタンドの技術ということになる。まだその場に足を止めたストレートの乱射という形で、これだと今回や前々回のようにけっこう被弾してしまう。打たれ強いので今は何とかなってるがこれが上位陣となるといまのままでは危ない。
とはいえこれまで無茶な打ち合いを最終的には打ち勝ってきた破壊力が上田にはある。いずれはスタンドも脅威になるのでは?
大袈裟じゃなくランカーの中で今一番強いのは彼じゃないですかね?今年最注目選手の一人です。