68キロ契約3回戦
〇リオン武(1R スリーパー)マーク・ドゥンカン× ドゥンカンはオランダの選手らしく打撃は〇、寝技×だろうと思ってましたが。その打撃がハンパなかった!開始直後の膝蹴り、追ってのストレートとキレイにリオンを捕えて「こりゃ、楽な相手じゃないぞ」と思った瞬間、あのカウンターですよ!ホントにリオンの天性のタイミングの良さは神懸り的です。会場ではバゴッ!って感じの音で、1発で終わったかな?って感じるほどでした。なんとか起き上がってきたドゥンカンでしたが後はリオンが落ち着いてテイクダウン→パウンド→バックと回ってスリーパーで止め。元世界王者らしい落ち着いた流れでした。
それにしてもリオンのカウンターの精度の高いこと!阿部戦でもヤバッ!って思った瞬間、強烈なストレート!凄いですよね。ダウン奪取率って項目あったら修斗1じゃないですかね?華奢で体格的に恵まれてるわけでもないのに、ビックリしますよ。思えば近年大きな大会で彼の顔を見ることが当たり前になってきていることに気付く。ベルトこそ失っていますがリオンは今や修斗の顔役のひとりですよね。
ドゥンカンも思ったより全然危険な選手だったからこそスリリングな雰囲気を味わえた。序盤見たら誰でも焦りますよ(笑)あのカウンター立ってきただけでもたいしたもの。やっぱり寝技はイマイチだったみたいだけど、その前にもらったリオンのパウンドも強力だったもんね。光るものはあるんでとにかくトータルでできる能力を。
上の写真にあるようにセコンドはアリスターらオランダ軍団。アリスター、でけー!全然前見えねー。まあこれも最前列ならでわ(笑)
そして外国勢、セコンド雑!セコンドアウトでコーナーサイドから降りる時、日本人は普通一旦腰下ろしてススッって降りるのに、オランダ勢はジャンプでドン!おかげでうがい用の水が入ったペットボトルが6本全部衝撃で倒れてビッシャリかかりました、2回も。水も選手にかけたらかけっぱなしでコーナー際は最後こぼれた水拭かないからビショビショでしたよ。気になってしょうがない。こうゆうとこに国民性がでます(笑)
ウェルター級3回戦
〇中蔵隆志(1回 アンクルホールド)ヤニ・ラックス×
「必殺!」のテーマで入場の中蔵。細かい掴みには余念がない真のテクニシャン・・・。しっかしラックスのラッシュにはビビリましたけどね。音が凄い!パワーないわけじゃない中蔵をあっという間にコーナーに押し込むし、あの膝もスコーン!って見事に入っちゃったもんだ。実は一瞬自分のバッグが倒れたので拾ってる隙にあの膝が入ったので何が起きたかわからず、ウチ帰ってTV中継で確認しました。試合後中蔵選手とちょろっと話ししたんで、このことを伝えると「いや〜、ボクも見えませんでしたー・・・」とのこと。ヤバかった。
しかしここで危険なラッシュを凌ぎきるとテイクダウンで一旦落ち着いて、ラックスの半身がロープ外にでるとすかさずアキレス!凄い、まさに職人技!仕事人だ!レフェリーもブレイク入る直前でラックスも一瞬気がぬけたその時、ここしかないタイミング。あそこならロープが邪魔して体を起こせないですからね。
大きな1勝だと思うし、絶体絶命の危機を引き出しの多さで逆転したのはデカイ。中蔵選手は近年数少ない打・倒・極ができる選手だが、こうゆう展開で生き延びられたのは様々な局面で出せる武器があるからに他ならないと思う。あそこで勝負にいける思い切りのよさや冷静に技を極められる精度の高さも特筆モノ。本人は謙遜してるが70キロの世界でもうトップ選手と肩を並べてもなんら遜色ない存在だと私は思います。
ラックスまた逆転負けかー。この選手は勝ちっぷりも負けっぷりも良すぎる。穴が大きいからなー、もったいない。でもそこも魅力。またも「穴が大きいけど侮れない破壊力」というイメージが強くなってしまった。
バンタム級3回戦
〇BJ(3回 TKO)赤城康洋×僕は赤城選手120%力見せたと思っている。打撃戦で引かなかったし、組み合いでも互角、中でも3R入るまでテイクダウン合戦で優位に立ったのは素晴らしい。彼は天性の打たれ強さがあるし、組んでからはねちっこい柔術のポジション技術もあるのでやっかいな選手だとは思ったけどBJとここまで渡り合うとは思っていなかった。下川がマモルに敗れたことでバンタムは上位と下位のランカーの間にちょっと差があるな、という雰囲気があったが、阿部弟VS正城も合わせて「全然やれるぜ!」と下位ランカーの意地を見せてもらった。
ただポジションやギロチンなどの体勢に入るなど2Rまで赤城優位なグランドだったが有効なクリーンヒットという面ではBJがはるかに上回ったと僕は見ます。赤城がスタンドで押し込んだ時は体で押し返してる感じだったけどBJが押し込んでる時は明らかにパンチで効かしているように見えたから。BJはまだ闘い方が粗いけど打・倒・極それぞれの技術はどんどんアップしているように感じる。今回も的確なカウンターや致命打をもらわないディフェンス、そしてミルコ式のハイキックを積極的に試みていた。後はつなぎの部分がうまくハマればえらいことになるかもしれない。アライブ陣営は徹底的にBJのバックを警戒して指示出していたが結局それがフィニッシュへとつながる辺りBJの必殺ムーヴと化してる。
ちょっとスッキリしない決着かもしれないけど内容は濃くて見所充分だったと私は感じましたね。
ライトヘビー級3回戦 世界タイトルマッチ
〇シアー・バハドゥルザダ(判定 3−0)山下志功×
※バハドゥルザダが新王者に。山下は初防衛失敗。 
はっきり言ってバハドゥルザダの完勝。1R序盤の右フックからのダウン奪取を皮切りにボクシングで圧倒。山下のテイクダウンは切りまくり、ワンサイドゲームを作り上げた。特にパンチの音といったら!他のレポートでも見たけど修斗ではなかなか聞いたことがない凄い打撃音だった。さすがに重量級のストライカーはすげー。大振りなパンチは少なく的確に当ててる感じだったがそれにしても音が・・・。中盤からは山下もブロックできていたのだがコマイクさん(予定が変わって第4試合から会場に)曰く「ガードしきれずアンダーイヤー辺りに当たっていた」ようだ。それに完璧なほどのテイクダウン防御も見事。タックルのモーションへの反応も速いし、クラッチされても素早く内側に手をねじ込んで完全な差しの状態を許さない。勝つべくして勝った感じで、ほぼ中盤からは山下選手がベルトを奪われる悲壮感より、万全の対応を見せた挑戦者に感心していた。
厳しい言い方になるが山下選手は負けるべくして負けた。相手が強かったと思うし、実力負けだと感じる。相手の情報は皆無に近く自分の情報だけがつつぬけというのはたしかに不利だが、それにしても打撃で翻弄されタックルは単調で読まれる、切られる。おまけにしつこさが感じられない歯痒い内容だったのが非常に残念。セコンドが2R辺りからしきりに「もう引き込んでもいいから寝技に持ち込まなきゃ」と指示していたが、あまり反応しているようには見えなかった。寝かせれば勝てると考えていたのかもしれないが、それ以外の準備があまりに足りないようにも。試合機会も少ないライトヘビーなのであまり本人を責めたくはないのだけどこれほどのベテランのわりには近年著しく成長している部分が見えない。ストライカー全盛の時代にあの打撃技術で渡り合うのはあまりに危なっかしいし、タックルにしても追い足のスピード不足で2の足、3の足がないのはちょっと。「今回は僕の負けパターン」とコメントしていたけどパターンとかそうゆう問題じゃないと思うな。
気になったといえば2R終了後のインターバルでバハドゥルザダのセコンドがまったく汗をタオルで拭かなかったことかな。けっこうビショビショだっただけにレフェリーは気付いてほしかったな。
この階級は他のプロモーションのほうが選手が充実してるだけに今後の戦局は読みづらいが無名だがたしかな実力を持ったいい選手が王者になったことは喜ばしい。ここを目標に村山・余膳ら日本人ランカーが発奮してくれると面白くなる。
そういえばバハドゥルザダのショートパンツは大きい目のマークが特徴のBAD BOYなんだけどなんかそのロゴのふしぶしが切れて年季を感じた。最初はそうゆうデザインかなとも思ったけど違うみたい。苦労してるんだなって思っちゃって気持ちが挑戦者陣営に移りつつあったのも事実・・・。
総評 必ずしも1本・KOが多ければいい試合・いい大会とは思わないが、豪快、爽快な試合が多く、その中にも重厚な接戦アリ、逆転、番狂わせアリとすっごく楽しめた大成功の大会だと思います。チケット代の数倍楽しめましたよ!MVPは悩むけどやっぱり大仕事をやらかした正城選手かな。メインは日本人王者が負けて残念な気持ちもあるけれど、やはり勝つにふさわしかったバハドゥルザダがベルト取ってしめくくるあたり修斗らしいというか。
久々の後楽園ホールは会場に一体感があって会場のどこにいても同じ感覚をつかめていた感じ。ホントいい会場だなー。住みたいよ(笑)大会場の大会まで待つか、悩んだけどホントきてよかった!