〇キム・ドンヒョン(3R KO)×長谷川 秀彦
内容的にはドンヒョンの完勝という形。左右の伸びのあるストレート、特に左は強烈。腰が強くまた柔軟さもあり手足が長く懐が深いせいかテイクダウン防御も堅い。フィジカル面も充実し下になってもリバーサルやスタンドに戻せるある程度のグラップリングの技量もある。フィニッシュにつながった裏投げは長谷川のそれまでのダメージ蓄積が大きいがしつこく組みにきた長谷川を逆に倒すなどテイクダウン力もある。加えて積極的に踏み付けを行なうので相手は気が抜けない。
実際のところ相手に止めをさせる決定的な武器はスタンドでの左ストレートとリーチを生かしたパウンドだけなんだろうけど、スタンド・グランド共に防御面で甘さが目立つ韓国勢には珍しく特にテイクダウン防御の高さで相手の決定機を消すことが爆発的な攻撃力を生かしている。コーナ際で組まれてる際には押し付けられていることを利用して逆に膝を放つなど、センスの良さも見せている。
チャンピオンにこんなことを言うこと自体失礼だとは思うが、長谷川はよく踏ん張ったと思う。これまで単打であっという間にKOの山を築いてきたドンヒョンに対しパンチを貰いつつも頭を振って決定打を許さず終盤まで耐えた。積極的にテイクダウンを狙いより確率が高い差しにもっていくなど「とにかく寝かせて」を徹底した。
そこまでしてもほとんど効果が得られないほど完敗を喫したところにドンヒョンの潜在能力の高さを感じさせる。
ここまで日本での6連勝はそれほど驚かない。76キロは日本の層が薄くなる階級だしこれまでの対戦相手もビッグネームはいない。しかし今回勝利した長谷川は間違いなく実力者。DEEP王者であるのはもちろん、日本のトップファイターと対戦して好成績を収めている。現時点では次はタイトルマッチだろうが数ヶ月で結果がひっくり返るのは至難の業ではないかな?
佐伯代表が「日本のこの階級でドンヒョンに勝てるのは青木だけ」と発言したらしいがあながち大袈裟でもないとは思う。
この階級の日本の実力者というと修斗では菊地昭、中村K太郎、弘中邦佳。パンクラスだと石毛大蔵、井上克也、北岡悟。DEEP勢だと中尾受太郎、池本誠知、國奥麒樹真、中村大介。それ以外となるとケージフォースで活躍している吉田善行とPRIDEを主戦にしていたマッハといったところだろう。
現実的にDEEPで闘える人材となると、契約関係でほとんどの選手がアウトなのでそれで青木しかいないとも言えるのかもしれないが、こうやって見渡しても実はこの階級の日本人ファイターには打撃のスペシャリストがほとんどいない。石毛と井上がスタンドを得意としているが共に前の試合でボコボコにされていることもあってドンヒョンと比べるのはちょっと難しい。個人的には菊地、吉田、マッハなら総合力でドンヒョン攻略が充分に可能だと思うがこの3人はいずれも近いうちにDEEPに参戦する可能性がない。
DEEP内だと中尾はキレなら対抗できると思うが圧力負けする感じがするし、池本だとスキルが1枚上行かれてる。國奥はディフェンシブすぎて圧倒されそうだし、中村は体格差がでてしまう。
こうやって考えるとやっぱり青木かな?とは思う。
ただ素直にドンヒョンという強い選手にベルトを預けて、彼を目標にこの階級の若い選手が育つのを見ていくほうが先を考えれば面白いと思うけどね。どうせ青木が定期参戦するはずがないし。そもそもベルト海外流出を危惧してたみたいだけどやっぱりベルトは強い選手が持っていたほうが意義がある。