
熱がありましたね。毎度会場の盛り上がりが凄い。お客が試合を後押ししてる感じがある。選手も見事に応えてる感じだった。特にメイン3つは内容濃かった。
中尾VS長谷川 長谷川選手は試合運びがすごくうまくなったなー、と。上とられても攻めさせないし、逆に上とったらしっかり見て有効打当てていた。誰が見ても2Rまで長谷川ペース、長谷川優勢に見える展開作りは見事。正直ジュタさんから1本取るのは難しいだろうと思ってたからどうゆう展開作るかが鍵だったけど、とにかくどんな位置でも動き続けてジュタさんを後手後手に回したのは大きかった。
3R終盤ジュタさんが際の攻防からバック→マウント→腕ひしぎを持っていったときは「さすが」だと思ったし、ここでこんな大逆転の動き作れるあたりは1流だなと思ったけど、まさかあの完全に決まっていた腕ひしぎ十字を持ちこたえるとはね。関節も柔らかいだろうし若干ポイントズラしてたんだろうけど解説の今成選手も「痛かったはず」というくらい反ってたから、参ったしないっていう執念だったね。見直しました。
左の1発があるジュタさんにスタンドの展開を作らせないのが1番の大きなポイントだった気がします。
帯谷VS横田 この日のベストバウトでしょうね。どこに出しても胸を張って「これがDEEPです」といえる好試合!この前のUFC67でのタイソン・グリフィンVSフランク・エドガーの試合を思い出しました。ただ帯谷VS横田のほうが全体的にハイスパートな感じで日本の次の世代も着々と育ってるなという感じ。
横田選手ははうまい!闘いがこなれてる。帯谷選手は直線的でドンドン前に出て圧力をかけるファイター、横田は自在でスピードと手数でかく乱するファイター。全体的な技術では横田だけど帯谷のプレッシャーが終盤効いてきて押し切るんじゃないか、というのが私の戦前の予想だったけど横田の自在性は私の予想を全然上回っていた。
まず相手の間合いを消すのがうまい。リーチの短いインファイターの帯谷の出鼻を前蹴りや中間距離からのワンツーで先手を取るし、踏み込んだ帯谷には組み付いて瞬時にテイクダウンを奪いまくる。ここで生きるのが柔道の投げベースの様々なテイクダウン術。しかも時間をかけずドンドン仕掛けるのが素晴らしい。テイクダウン後のパウンドや極めの決定的な場面こそ作れなかったが、あれほど鮮やかにポンポン寝かせられれば印象が全然違う。
それもこれも大事なことは相手の危険地域に思い切って踏み込めるからだ、と思う。私は帯谷の圧力は「世界1歩手前」のレベルとしては相当のものだと思う。雷暗はそこに踏み込めなかったから決定打が打てなかったし、ヴィエイラのように引いて闘っても結局奇襲の跳び膝くらいしか逆転打は打てない。サークリングしつつ詰めてきた相手に踏み込む勇気と自信があるかないかで1ランク上に行けるかが試されると思う。横田にはあったということ。
帯谷は結局思うような展開を作れず敗れたわけだが、それでも終盤まで1発当たればわからないゲームで緊張感を持たせられたのは彼の突進力と横田についていくだけのスタミナがあったからこそ。実際一瞬横田を止まらせる打撃は何度かあった(横田の止まらない動きで誤魔化されたが)。実力差はほとんどないと思う。
ただ技術の引き出しには相当差がある感じ。スタンドでは振り回し気味のフック、テイクダウンは差し合いで形作ってからのものがほとんど。際では半身になる横田からバックを奪いやすかったがそこから時間をかけてしまうため首投げを先にもらうことも多かった。とにかく場面場面で1つの型しかないためきっちり戦術を立てられ実行する能力があるレベルの選手にはいなされてしまう。ここ3戦はすべてそうゆう形だ。戦法が五味スタイルのボクシング&レスリングなのだがリーチがなくフックしかない帯谷はせめてグランドでのきめ細かさがないと上のレベルに行くのは難しいと感じた(ちなみに横田は明らかに三崎スタイル)。現状で限界が見えたのだからこの機会に柔術的素養を入れるなどする必要があるはず。五味のマネばかりしてもイカン!だろう、と。
横田選手がすごく目に付いたので長くなったけど、もうちょっとお付き合いを(笑)。正直帯谷選手がDEEP王者の時は修斗の廣田、中蔵、朴、遠藤といったランカーと見比べて「修斗勢なら充分崩せるレベル」と思っていた。オフェンス力は充分あるが付け入るスキが大きくみえる選手だったから。それに修斗のアマから育ててクラスB、新人戦で揉まれ更にクラスA、ランカーとしのぎを削る育成方法じゃないと中量級以下で世界と闘える選手はなかなか作れないと思ったからだ。ただ横田選手の今回の闘いぶりをみると素材が優れ、充実したジム環境が揃えばこんな隙の少ない選手も生まれると勉強になりました。大袈裟じゃなく彼なら廣田君や中蔵選手といった修斗トップ選手とやっても今回みたいな試合がつくれるんじゃないか?と感じたりしました。
今日の大会で修斗ウェルター級の選手達には「俺達は絶対負けない」という試合内容を見せてほしいものです。